一言居士
(いちげんこじ,いちごんこじ)
[意味]
何かあれば、自分の意見や考えを一言言わなければ気が済まないという人。自分の意見が求められていないような場面でも、とにかく何か一言言おうとする人。一言居士は、『いちげんこじ』だけではなく『いちごんこじ』とも読む。
『居士』の原義は仏教語であり、日本では在家で仏教に帰依した男子を称する言葉である。日本では男性の死後に寺院・僧侶から与えられる戒名の下に『居士』という称号がつけられる。近代以降は、ある特徴・習慣を持つ人に対して、軽い親しみやからかい(軽侮)の意味合いを込めて、『~居士』という呼び方が為されるようになった。一言居士というのも、『何か一言意見を言わずにはいられない性格・習慣』を軽く揶揄する感覚の込められた言葉である。
[類義語]
一徹短慮(いってつたんりょ),漱石枕流(そうせきちんりゅう)
[用例]
一言居士の彼がその事件について聞けば、黙ってはいないだろう。大して知識や興味のない話題にまで首を突っ込んで、何か一言反論せずにはいられないあの人は、正に一言居士である。生粋の一言居士である私は、自分の常識に反するような主張を聞くと、とにかくその主張をこじつけでもいいから批判せずにはいられないのだ。
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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)