DNAとRNAの違い

「DNA」と「RNA」は、遺伝子学・分子生物学のテキストなどでよく出てくる専門用語です。「DNA」や「RNA」と聞くと遺伝子情報と関係している生物学の言葉として何となく分かった気持ちになりますが、「DNA」と「RNA」が具体的にどんなものなのか分かっているでしょうか?「DNA」と「RNA」の違いについて、分かりやすく説明していきます。

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「DNA」とは何か?


「RNA」とは何か?


「DNA」と「RNA」の違いのまとめ


違いの事典:1

「DNA」とは何か?

「DNA」とは、「動植物をはじめとする生命の遺伝子情報が保存されている設計図」のことです。「DNA」とは「デオキシリボ核酸」と呼ばれる核酸であり、「ヌクレオチド」と呼ばれる化学構造で形成されているものです。

「DNA」を構成している「ヌクレオチド」というのは、「塩基・糖・リン酸が結合した構造」です。「DNA(デオキシリボ核酸)」は、「A(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・T(チミン)」という4種類の塩基の組み合わせによって遺伝子情報を保持しています。

「DNA」は右巻きの「二重らせん構造」を持っていて、「セントラルドグマ」に従って一方向的に生命を構成しているタンパク質を合成することになります。遺伝子情報からタンパク質を合成するまでの「セントラルドグマ」とは、「DNAの転写(RNA合成)→RNAの翻訳→タンパク質の合成」という一方向的な流れを規定しているルールのことを意味しています。

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「RNA」とは何か?

「RNA」とは、「遺伝子情報であるDNAを転写することでつくられる核酸でタンパク質合成に必要なもの」のことです。「RNA」とは「リボ核酸」と呼ばれる核酸であり、DNAと同じく「ヌクレオチド」と呼ばれる化学構造が連なって形成されています。

「RNA(リボ核酸)」は、「A(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・U(ウラシル)」という4種類の塩基の組み合わせによって、タンパク質合成で翻訳する遺伝子情報を保持しています。

「RNA」はシンプルな「一本鎖構造」を持つ核酸で、「セントラルドグマ」に従ってDNAから転写されたRNA情報を使用してタンパク質を合成することになります。「RNA」は「DNA」以上に複雑な化学修飾を行っていて、他の核酸・タンパク質と相互作用しながら状況適応的にタンパク質合成のはたらきをしているのです。

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「DNA」と「RNA」の違いのまとめ

「DNA」も「RNA」も生命体の形成維持に欠かせない遺伝子情報ですが、「DNA」は「デオキシリボ核酸」と呼ばれるヌクレオチドであり、「RNA」は「リボ核酸」と呼ばれるヌクレオチドである点が違います。

生命の設計図である「DNA」は「A(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・T(チミン)」という4種類の塩基から構成されていますが、「RNA」は「A(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・U(ウラシル)」の塩基からつくられている違いもあります。

遺伝子発現の「セントラルドグマ」によって、「DNA」の遺伝子情報が転写されることで「RNA」が合成され、「RNA」の遺伝子情報が翻訳されることで「タンパク質(生命体の物理的構成要素)」が合成されるといった関係にあるのです。

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