晏嬰狐裘(あんえいこきゅう)

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晏嬰狐裘
(あんえいこきゅう)

[意味]

『晏嬰(あんえい)』というのは、古代中国・春秋時代の斉(せい)の名宰相であり、能力だけではなく人格も高潔・謹厳実直で人民に深く慕われていたという。『狐裘(こきゅう)』というのは、狐の脇の下の柔らかい毛皮で作った外套(コート)で当時は貴族が着る高級品であった。質素な生活ぶりの晏嬰は、宰相として狐裘を身にまとってはいたが、同じ狐裘をボロボロになっていても30年間以上にわたって使い続けたという。

『晏嬰狐裘(あんえいこきゅう)』とは、身分・地位の高い人が、贅沢で華美な暮らしを嫌って質素倹約を貫き、自らに与えられた職責・社会的使命に精励することである。宰相の高位にある晏嬰が、使い古したボロボロの狐裘を身にまとい続けたという故事に由来している。

[出典]

『礼記』 檀弓下(だんぐう・げ)

[類義語]

一狐裘三十年(いちこきゅう・さんじゅうねん)

[用例]

上場企業の専務取締役として精力的に働いている彼だが、私生活は晏嬰狐裘であり見栄のための出費をすることはなかった。自分のための物は買わず、社会や他人のために尽くしたいという、彼女の晏嬰狐裘の暮らしぶりが多くの人から評価されている。

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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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