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三浦春馬さんの自殺と過剰適応・完全主義のストレス:人から賞賛されて期待されるほど逃げにくくなる心理

心の健康の画像 ニュース

自殺が起こる前までは、ほとんどの人が三浦さんがそこまで無理をして頑張っているとは思わず、「彼ほどのイケメンで若い頃から活躍してきた人だから・才能や向上心もずば抜けていて努力もできる人だからこのくらいの仕事は楽にこなしてしまうのだ」という風に見ていたはずです。

しかし、テレビや雑誌などで報じられている三浦さんのスケジュールを客観的に見ると、「ドラマ・テレビ(バラエティー・番宣)・演劇の舞台・国際的なショー(米国での公演)・音楽活動・ネット活動」など、自分自身の時間をまず持てないくらいの殺人的なスケジュールにも感じます。

演技と音楽、ダンスなどまったく異なるジャンルの大舞台の仕事が休む暇もなく次々と入ってきている状態です。さらに海外進出などのスケジュールもあり、(高畑充希さんと一緒に勉強することもあった等の話もありましたが)英語の学習も一生懸命にしていたといいます。

普通の人なら、才能や容姿、センスなどを抜きにしても、これだけの仕事を健康な心身の状態を維持してこなすことはまず不可能で、三浦さんは子役時代から活躍しているので、これに近い仕事状況が優に(普通の若者らしい青春時代を楽しむ間もなく)10数年は続いていたことになります。

確かに本当に好きな仕事であれば、どんなにハードなスケジュールでも充実感を感じながらこなせるところが人間にはありますが、それでも各人のキャパシティ(容量)とストレス耐性、コミットメント(自発的関与の度合い)によって限界を超えれば精神的危機に見舞われる恐れがあります。

三浦春馬さんは素晴らしい俳優であり、男性であっても面白いと感じたり感動を味あわせられたりした出演作が多くありました。

一方で、自分自身が望んで芸能界に入ったわけではなく、20歳前後の頃に、自分は芸能界に向いていないから辞めようと思って本気で悩んでいたといいます。

大勢の人から注目されて期待される芸能人のような仕事より、田舎に住んで自分ひとりでコツコツ頑張る農業に意識が向いて迷っていた時期があったとの報道もありました。そういった報道からも、三浦さんが見た目の華やかな印象や普段の堂々とした仕事ぶりとはややかけ離れた人生観・仕事観(目立たず地道にやれる仕事への適性の感覚)を持っていた可能性はあるでしょう。

母親の勧めで芸能人の養成所に入り子役としてデビューしたのがキャリアの始まりとされていますが、あれだけの容姿・才能に恵まれてはいても性格的には自分を前に押し出して目立ちたいタイプではなく、「多忙を極めるスケジュール・周囲から高く評価されて自分個人をあまりに求められすぎること」にある種の戸惑いやそれに答えなければいけないの負担を感じていたようです。

人が自殺する主要な原因はいつの時代も、「健康の悩み・経済問題・仕事の悩み・恋愛や家族の悩み・人間関係の悩み・思想的な苦悩や虚無」などに分類されます。三浦さんも広義のうつ病に近いメンタルヘルスの悪化があった可能性があり、それを完全主義思考やプライド、責任感などで外部には一切漏れないように必死に耐え続けていたのかもしれません。

三浦春馬さんは、親しい友人知人であっても人に対して「悪口・愚痴・弱音・不平不満」を言うことはまずなかったと伝えられていて、いつ会っても明るく前向きで相手を逆に励まそう、勇気づけようとする気遣いがあったといいます。

しかし、実際には部屋に帰れば、自分だけしか見ない手帳に「つらい・苦しい・虚しい・死にたい」といった心理状態と関係する日記やメモを残していたことから、三浦さんは「誰にも自分の苦しさやつらさを伝えられず、すべての苦悩を自分一人だけで抱え込んで何とか対処していた(仕事に行く時までには気分・モードを切り替えていた)」と推測されます。

自殺に至るリスクファクターとして「完全主義・プライドの高さ・生真面目な責任感の強さ」と「相談できる相手がいない孤独」、「判断力が低下する過労・多忙」がありますが、三浦春馬さんもこれらの危険な要因に当てはまってしまっている状態が続いていた可能性はありそうです。

三浦さんの性格・人柄については褒める人や良い思い出を語る人が多く、自殺以前の時期でも悪い噂や裏の顔の話などはまったく出てきていません。

これらは、三浦春馬さんが「人に絶対に迷惑をかけてはいけない・人を嫌な気分にさせる暗い話題などはしてはいけない」という人間関係にまつわる価値観や考え方を持っていて、無意識的にせよ他者を明るく楽しませる対応だけをし続けてきたことを意味しています。

コメント

  1. […] 三浦春馬さんのショッキングな自殺の後に、芦名星さんと竹内結子さんの自殺報道まで続いて、コロナ禍におけるメンタルヘルスの危機と改善の必要が注目されています。 […]

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