晏子之御(あんしのぎょ)

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晏子之御
(あんしのぎょ)

[意味]

『晏子(あんし)』というのは、『晏嬰狐裘の項目』にでてきた古代中国・春秋時代に斉で宰相を務めていた晏嬰(あんえい)のことである。『御(ぎょ)』というのは、馬車の馬を操縦する役目を果たす『御者(馭者・ぎょしゃ)』のことである。晏子之御は、晏子の馭者(御者)を務めていた男のエピソードから生まれた言葉である。

主人(上位者)の権威・権力を、自分のものであるかのように勘違いして威張っている人物のこと。主人(上位者)の権威・権力を笠に着ることで、自分自身の低い地位・立場に満足しきってしまうこと。

晏嬰の御者は常日頃から、主人である晏嬰の権勢を笠に着て威張り散らしていた。その御者の妻が、『小柄な晏嬰様は能力も人柄も優れた立派な方だが、大男であるあなたは晏嬰様の権威を笠に着て威張るばかりで御者(馭者)の身分に甘んじている。将来性がないので離縁してください』と語った。妻に厳しく人間性を批判された御者(馭者)は、大いに自らの傲岸不遜な態度を反省して言動を改め、その後に認められて御者よりも高い地位へと出世したという。

[出典]

『史記』 晏嬰伝(あんえいでん)

[類義語]

晏御揚々(あんぎょようよう)、虎の威を借る狐

[用例]

いつもご機嫌取りばかりに明け暮れる社長の腰巾着である部長は、晏子之御として部下たちからその人柄を軽蔑されている。晏子之御のように上司にへつらうことで出世した男だったが、上司の失脚によってその男も解雇されることになってしまった。親戚に政治家・社長・大学教授がいるといった自慢話ばかりをしているあの人は、所詮は晏子之御に過ぎないではないか。

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参考文献(下部のAmazonアソシエイトからご購入頂けます)
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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