一字千金
(いちじせんきん)
[意味]
文章・文字・筆跡などが非常に優れていて立派であること。一字に千金の価値があるという意味。例えることができないほどの深い恩恵といった意味合いもある。
[出典]
『史記』の呂不韋伝(りょふいでん)の故事が出典である。秦の呂不韋(りょふい)が自信作である『呂氏春秋(りょししゅんじゅう)』を書き上げた時に、その書物を首都・咸陽(かんよう)の城門に置いて、一字でも添削できた者がいれば褒美として千金を与えるといった故事に由来している。呂不韋は自著である『呂氏春秋』を、これ以上手の加えようがない完成度の高い文章だと自負していたので、これを添削できるものがいれば千金を与えると豪語したのである。
[類義語]
一字百金(いちじひゃくきん)
[用例]
名文家として名高い作家の先生だけあって、一字千金の重みを感じさせる文章である。骨董商から一字千金の価値があるという立派な書を見せられた。私にとって最高傑作と自負する作品だが、この作品が一字千金の評価を得られるかについては後世の審判を待ちたい。
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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)