ここでは、ユダヤ教を起源とする一神教の歴史と思想、教義についての基本的な事項を説明するコンテンツを制作していきます。ユダヤの民族宗教であったユダヤ教の唯一神信仰や神との契約のエッセンスは、イエス・キリストの誕生から世界宗教へと発展していくキリスト教の母胎となり、ムハンマドによって創始された敬虔なイスラム教教義の源泉となりました。
イスラエルのユダヤ人とイスラエルによって故国を追放されたパレスチナ人との果てしない紛争には、3枚舌外交を展開したイギリス(大英帝国)の罪過も影響していますが、悠久の歴史を持つ一神教の過去のしがらみも関係しています。世界各地で勃発する宗教紛争や民族対立の背景には、政治経済の利害対立と並んで一神教の歴史や教義の問題が存在していることが少なくありません。
世界の超大国であるアメリカの政治権力や倫理規範は、キリスト教の教義や団体の影響を強く受けていますし、国際金融市場で大きな資金力を持つユダヤ人は、今でも敬虔にユダヤ教を信じていて、アメリカ政府や国際社会に対して一定の発言力を持っています。
9.11や自爆テロに象徴される一部のイスラム原理主義者の暴走によって、非イスラム圏ではイスラム教のイメージが悪くなりましたが、現在の世界において、平和や秩序を維持する為にはイスラム圏の人たちとの相互理解を欠かすことが出来ません。また、非ムスリムの人たちが、ムスリム全員が危険な攻撃的思想を持っているという誤解やアラブ人が潜在的なテロリストであるという偏見を捨てるところから始めないと『相互理解を促進する対話』のきっかけを掴むことは難しいでしょう。
日本ではあまり馴染みのないイスラム教ですが、イスラム教に帰依する人たちは年々、加速度的に増え続けているといいます。特に、経済的な豊かさを享受することの難しい地域や国家、中東・アフリカ・東南アジア・インドといった地域において熱心なイスラム教徒は爆発的に増えています。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教といった一神教は、その宗教の起源を遡っていけば『この世界を創造した全知全能の唯一神に帰依して、その教えに従属することが人間の責務であり、天国に至る唯一の道である』という一神教信仰の原点にたどり着くことになるので、救済宗教としての構造は共通しています。
しかし、それぞれの一神教が持つ聖典(旧約聖書・新約聖書・コーラン)が違うように、それぞれの宗教が持つ教義内容とその宗教に帰依している民族や地域も異なります。また、各宗教を信仰してきた民族(共同体)が歩んできた歴史も大きく異なるので、ユダヤ教を起源とする同根の宗教は類似した要素を多く持ちながらも、教義や信仰の部分で多くの違いを持っています。
現代社会の政治情勢や経済状況を理解する為にも、世界宗教となっている一神教の歴史や教義に関する知識を一通り身につけておくことが役に立つと思います。
世界各地の宗教や神々について知りたい方は、以下のコンテンツも合わせてお読みください。
原語のアラビア語に近い音でイスラム教を表記する場合には、“アル・イスラーム”“イスラーム”と書くべきですが、ここでは日本で慣例的に使用されている“イスラム教”の表記を主に使います。コーランもアラビア語の発音に従うならば、“クルアーン(アル・クルアーン)”と表記すべきですが、ここでは一般的に認知されているコーランの表記も用いることがあります。
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