トラウマに対処するための実践的なメソッド

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過去の耐え難い苦痛や恐怖の記憶が原因になっていると考えられる『心理的な問題や社会環境への不適応』は、カウンセリングの場面で比較的よく見られる問題です。『過去の悲惨な体験による心の傷つき』を訴えるクライアントには、生命の危険を感じるような事件・事故・災害に巻き込まれた人や幼児期に養育者から苛酷な虐待を受けた人、学生時代にクラスメートから冷酷ないじめを受けた人、暴力事件や性犯罪の被害者になってしまった人など実に様々な人がいます。

過去の恐怖体験やショッキングな出来事による『精神的な外傷』が非常に深刻なものである場合、クライアント本人の口から『私には過去に負ってしまった癒し難いトラウマがあるのです』といった形で精神症状や心理的問題の原因が語られることも少なくありません。

現在では、トラウマ(trauma)という用語があまりに一般化し過ぎてしまった為に、安易に『あの過去の経験がトラウマになって……』という発言が為されることがあります。しかし、現代社会でトラウマが原因となった精神症状の事例が増えているといっても、トラウマが誰にでも見られる一般的なものになったわけではありません。過去の不快でつらい体験の全てが、トラウマであると考える事は臨床的に間違った判断ですし、精神衛生上も良いことではありません。

過去の苦痛な出来事にこだわって、あの記憶がトラウマになっているのだと思い込んでしまうことで、心の痛みや苦しみを余計に増強してしまうこともありますし、『トラウマがあるから自分は自由で楽しい人生を送ることが出来ないんだ』という信念は自分自身の人生をいたずらに浪費させてしまう危険があります。過去の記憶にまつわる悩みや苦しみがトラウマになっているのではないかという心配がある場合には、その苦悩の原因がトラウマであるのかどうかという問題も含めてご相談をお受け致しますので、Es Discoveryの総合心理相談のご利用を検討してみて下さい。

深刻な心的外傷であるトラウマを治療したり、トラウマが原因となっている精神的苦悩や混乱状況を改善するためには、まず、『トラウマとは何であるのか?』を理解し、『あなたのトラウマとは何であるのか?』を特定しなければなりません。ここまでの段階で、過去の出来事や体験がトラウマになっていることが明らかになってくれば、過去のトラウマの治癒に特化した精神分析的療法や認知理論に基づくカウンセリングを実施していくことになります。

過去の強烈な恐怖や耐え難い衝撃によって傷ついた心を、段階的に治癒していきながら、『過去の無力な自分と現在の有能な自分の違い』を繰り返し認識していくような認知療法的なカウンセリングを行っていきます。最終的な目標は、『過去・現在・未来という時間構造』を生きる自分自身の存在や能力を無条件で受け容れて、現在を楽しみ、未来に希望を持てる心理状態になることです。過去の傷ついた自分を適切に受容して、現在の自分の自尊感情や確かな自信を高めることで、現在の環境に無理なく適応できるようになります。社会環境や人間関係への適応が良くなれば、毎日の生活で感じる不安や悲哀を大きく低減させることへもつながっていきます。

反対に、過去のトラウマが根本原因になっているわけではなく、現在の対人関係のストレスや最近のショックな出来事、生活環境への不適応が、精神症状や心理的葛藤の原因になっているというケースもあります。その場合には、過去にこだわり過ぎずに現在の生活状況をより良い方向に変えていく為のカウンセリングを実施していくことになります。

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トラウマとは何だろう?

  1. 瞬間冷凍された過去としてのトラウマ
  2. トラウマと自傷行為の相関関係
  3. トラウマと解離性障害
  4. トラウマと不安定な人格構造(境界性人格障害)

トラウマに対処する実践的メソッド

  1. トラウマ解決のためのカウンセリング要素
  2. ナラティブ・セラピーを応用したトラウマの心理療法
  3. トラウマに対する行動療法(エクスポージャー法)
  4. 子どものトラウマと心理療法
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