「ひやむぎ(冷や麦)」と「そうめん(素麺)」は夏の定番の冷たい麺類の料理ですが、見た目が非常に似ています。一般的には「そうめん」のほうがポピュラーで頻繁に食べる機会のある夏の麺類ですが、「ひやむぎ」との違いはどこにあるのでしょうか?「ひやむぎ」と「そうめん」の違いを、詳しく説明していきます。
「ひやむぎ(冷や麦)」とは何か?
「そうめん(素麺)」とは何か?
「ひやむぎ」と「そうめん」の違いのまとめ
違いの事典:1
「ひやむぎ(冷や麦)」とは、「小麦粉・塩・水を混ぜて練った生地を切って作る麺類」で「細打ちのうどん」です。元々うどんを細く切って作るものを「きりむぎ(切り麦)」と呼んでいて、熱くして食べる切り麦を「あつむぎ(熱麦)」、冷やして食べる切り麦を「ひやむぎ(冷や麦)」と分けていたことに由来しています。
「ひやむぎ」の製法上の特徴は「そうめん(素麺)のように油を混ぜてヨリをかけて引き延ばすのではなく、細打ちにしたうどんを細く切って作ること」にあります。ただし、現在は製麺機で製造するため、必ずしも「ひやむぎ」が伝統的な製法で作られているとは限らず、今は「麺の太さ」によって定義されています。
「ひやむぎ」というのは、JAS(日本農林規格)によって「麺の太さが1.3mm以上1.7mm未満」の小麦粉の麺類を意味しているのです。太さが1.7mm以上の麺は「うどん」に分類されますが、手延べ麺の場合は「麺の太さ1.7mm未満」であれば、「ひやむぎ」でも「そうめん」でも好きな名称を名乗ることができます。
「そうめん(素麺)」とは、「小麦粉・塩・水を混ぜて練った生地に植物油(でんぷん)を加え、その生地を薄く引き延ばして天日干ししたもの」を意味しています。
現在では製麺機を使用して製造するため、「そうめん(素麺)」が上記の伝統的な製法で作られるとは限らず、基本的には小麦粉で作った麺の太さによって分類しています。
「そうめん」とは、JAS(日本農林規格)によって「麺の太さが1.3mm未満」の小麦粉の麺類を意味しているのです。ただし、太さ(直径)が1.7mmある江戸時代からある伝統的な「半田そうめん」(徳島県の名産品)が、太さの基準で「そうめんではなく「ひやむぎ」と名乗らせられるのはおかしいため、現在のJASでは太さ1.7mm未満の手延べ麺なら「そうめん・ひやむぎ」のどちらの名称を使っても良いことになっています。
「ひやむぎ」と「そうめん」の違いは、元々は「細く切って作って冷やして食べるひやむぎ」と「植物油を加えて細くヨリをかけて引き延ばして作るそうめん」の伝統的製法の違いにありました。
現在では製麺機による製造が一般的になったため、「製法」ではなく「麺の太さ」によって「ひやむぎ」と「そうめん」を区別するようになっています。JAS(日本農林規格)では、「ひやむぎ」は「麺の太さ(直径)が1.3mm以上1.7mm未満のもの」、「そうめん」は「麺の太さが1.3mm未満のもの」、「うどん」は「麺の太さが1.7mm以上のもの」として定義しています。
ただし、「手延べ麺」に限っては「太さ1.7mm未満の小麦粉の麺」であれば、「ひやむぎ」ではなく「そうめん」と名乗っても良いことになっています。
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