青柿が熟柿弔う(あおがきがじゅくしとむらう)

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青柿が熟柿弔う
(あおがきがじゅくしとむらう)

[意味]

まだ熟れていない堅い青柿が、熟して下に落ちていく熟柿のことを哀れと思って弔っているが、いずれは遠からずその青柿も熟して落ちてしまうということ。

青柿も熟柿もお互いに大した違いがないという意味である。熟していない青柿から転じて、未熟な者が、他人のことについてあれこれうるさく言うこと、欠点を見つけてあげつらうことの愚劣さの喩えとしても用いられる。

[類義のことわざ]

団栗の背比べ(どんぐりのせいくらべ),五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ),目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう),猿の尻笑い(さるのしりわらい)

[用例]

大学に入学したばかりの立場で、就職して社会人になった親戚のことをあれこれ悪くいうのは、『青柿が熟柿弔う』といった状態である。

現代では格差社会が問題になっているが、明日は我が身と思えば、失業者や貧困層のことを軽侮することは、『青柿が熟柿弔う』にも似たシニカルな行動に他ならないだろう。

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参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)

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