網の目に風たまらず
(あみのめにかぜたまらず)
[意味]
網で風を防ごうとしても、風は網の目を吹き抜けていってしまう。
そこから転じて、やっても何の意味もないこと、やるだけ無駄なことの喩えである。
[類義のことわざ]
蜘蛛の網に風たまらず(くものあみにかぜたまらず), 籠で水汲む(かごでみずくむ)
[意味連関のことわざ]
網の目に風とまる(あみのめにかぜとまる)……普通であれば、風は網の目に留まらずに吹き抜けてしまうが、その網の目に風が留まってつかまってしまう。そのことから、あるはずがないこと、常識的には有り得ないが奇跡的にあること、不可能なことなどの喩えである。
雨の夜にも星(あめのよるにもほし), 蚊帳の目に風たまる(かやのめにかぜたまる)
[英語のことわざ]
Catch the wind in a net.
(網で風を捕える。)
[用例]
火事で燃え盛っている家の火を何とか消そうとして、バケツの水をかけてみたが、『網の目に風たまらず』でまったく火の勢いは衰えない。
圧倒的な軍事力を保持する独裁政権に対して、個人が正論で反対しようとしても、『網の目に風たまらず』でほとんど影響がなかった。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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