危うきこと累卵の如し
(あやうきことるいらんのごとし)
[意味]
『累卵』とは卵を積み上げること。
積み上げた卵は不安定でいつ崩れるか分からない。そこから、物事・事態が極めて危険な状態になっていることを指している。『累卵の危うき』ともいう。
『史記 范雎伝(はんしょでん)』に、『秦王之国、危如累卵(秦王の国、危うきこと累卵のごとし)』とあるのが出典である。
[類義のことわざ]
危うきこと虎の尾を踏むが如し(あやうきこととらのおをふむがごとし), 虎の尾を踏む(とらのおをふむ), 一触即発(いっしょくそくはつ), 一髪千鈞を引く(いっぱつせんきんをひく), 蜘蛛の巣で石を吊る(くものすでいしをつる, 深淵に臨んで薄氷を踏むが如し(しんえんにのぞんではくひょうをふむがごとし), 刀光剣影(とうこうけんえい), 虎の尾を踏む(とらのおをふむ), 虎の口へ手を入れる(とらのくちへてをいれる), 薄氷を踏むが如し(はくひょうをふむがごとし), 竜の頷の珠を取る(りゅうのくびのたまをとる), 竜の鬚を撫で虎の尾を踏む(りゅうのあごをなでとらのおをふむ), 危機一髪(ききいっぱつ)
[英語のことわざ]
To rest on an inverted pyramid.
(逆さまになったピラミッドの上で休む。)
[用例]
サーカスで凶暴そうなグリズリーと無邪気に戯れているサーカス団員の姿は、傍から見れば『危うきこと累卵の如し』の風情である。
日経平均株価が2万円を超えて異常な高値を連日更新しているが、街中の景気の悪さと乖離した高い株価は、『危うきこと累卵の如し』である。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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