板子一枚下は地獄
(いたごいちまいしたはじごく)
[意味]
船の板子の下には海が広がっており、その板子が破れれば落ちて死んでしまうということ。船の上で仕事をする船乗り(漁師)の仕事は危険が付き物であるということ。
そこから転じて、危険と隣り合わせになっている危うい状態のことをいうことわざである。
『板子』というのは、和船の底に敷かれている揚げ板のことで、その下は船底である。船底の下には深い海が広がっており、船の上というのは常に危険と隣り合わせの状態にある。
[類義のことわざ]
板三寸下は地獄(いたさんずんしたはじごく), 一寸先は闇(いっすんさきはやみ), 一寸下は地獄(いっすんしたはじごく), 一寸の地獄(いっすんのじごく)
[英語のことわざ]
[用例]
都心の超高層ビルの外壁清掃の仕事は、吊るされたゴンドラが風で揺り動かされていて、『板子一枚下は地獄』の気分を味わわされることになった。
『板子一枚下は地獄』という差し迫った危機感を持つことで、今やらなければならない危ない仕事に、全神経を集中させることができるのだ。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
トップページ> Encyclopedia>
日本の古典文学> ことわざ事典>現在位置
プライバシーポリシー