衣食足りて礼節を知る
(いしょくたりてれいせつをしる)
[意味]
人は最低限の生活水準が整ってはじめて、礼儀や節度をわきまえるようになるということ。
衣食住の最低限の生活が満たされていないと、礼儀や節度を守るような気持ちの余裕もなくなってしまうということ。最低限の経済生活の条件と礼儀・節度・倫理との相関関係を指摘したことわざである。極端な貧困や欠乏は、気持ちの余裕を失わせて人間性・倫理観を歪めてしまう恐れがあるということ。
[類義のことわざ]
礼儀は富足に生ず(れいぎはふそくにしょうず), 倉廩満ちて礼節を知る(そうりんみちてれいせつをしる)
[対義のことわざ]
人はパンのみにて生くるにあらず(ひとはパンのみにていくるにあらず)
[用例]
『衣食足りて礼節を知る』とはいうが、事業に失敗して借金を背負ってからの彼は、それ以前とは全く人間性が変わってしまいひどく乱暴で無礼になった。
貧困対策による生活環境の改善によって、『衣食足りて礼節を知る』を実証するかのように、スラム街の治安が随分と良くなってきた。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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