石に立つ矢
(いしにたつや)
[意味]
一念を持って集中して行えば、大概(たいがい)のことはできるということ。
弓矢で石を割るような不可能と思われることでも、一念を込めてやればできることがあるという喩え。
[出典]
『韓詩外伝(かんしがいでん)]の故事、あるいは、『史記 李将軍伝』の故事に基づく。
古代中国で楚の熊渠子(ゆうきょし)が狩りに行って、大きな石を虎と見間違えて射たところ、その弓矢が石を割ったと伝えられる。
[類義のことわざ]
雨垂れ石をも穿つ(あまだれいしをもうがつ)、 一念岩をも徹す(いちねんいわをもとおす)、 精神一到何事か成らざらん(せいしんいっとうなにごとかならざらん)、 一念天に通ず(いちねんてんにつうず)
[用例]
絶体絶命のピンチだったが、『石に立つ矢』の覚悟で集中して切り抜けることができた。
故事に『石に立つ矢』という言葉があるが、どんなことでも精神を集中して本気で取り組めば乗り越えることができると私は信じて生きてきた。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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