一葉知秋
(いちようちしゅう)
[意味]
『一葉落ちて、天下の秋を知る』を略した四字熟語であり、桐の葉が一枚落ちる様子を見て、秋が近づく気配を感じるという意味である。一枚の葉が落ちるといった、物事が起こったり変化したりする何らかの予兆を感じ取って、衰退・崩壊(物事の終わり)を察知することである。
『一葉、秋を知る』と訓読することもできる。『一葉落ちて、天下の秋を知る』という読み方をする場合には、桐の葉が一枚落ちるのを見て、天下が乱れることを予見しているのである。
[出典]
『淮南子』 説山
『一葉の落つるを見て、歳の将に暮れんとするを知る』
[用例]
武田信玄の死は、武田家滅亡を予感させる一葉知秋の知らせであった。最後に送ってきた悲しげな絵葉書を見て、あの人がもうここには居なくなるという一葉知秋の予感を感じた。私を可愛がってくれた母の死去は、一葉知秋の悲しい思いを募らせるものであった。
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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)