一饋十起
(いっきじっき)
[意味]
優れた有徳の政治を行うために、為政者(君主)が自ら進んで賢者を探し求めること。
『一饋(いっき)に十たび起つ(たつ)』と訓読することができる。『饋(き)』というのは、『食事』のことである。
古代中国の伝説の聖人君子である夏の禹(う)が、一度の食事の間に十回も立ち上がって、有能な客人(賢者)を逃さないために会いに行ったという故事に基づいた言葉である。
[出典]
『淮南子(えなんじ)』 氾論
[類義語]
吐哺握髪(とほあくはつ)、三顧の礼
[用例]
社長は一饋十起の行動で、実績のある有名な営業部長をヘッドハンティングしてきた。一饋十起で必死に人材を求めなければ、最近の売り手市場では有能でやる気のある人材を確保することはできない。
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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)