あの声で蜥蜴食らうか時鳥
(あのこえでとかげくらうかほととぎす)
[意味]
美しい声で鳴く時鳥(ほととぎす)だが、その声の印象に似合わず、蜥蜴(とかげ)を食べるということ。
そこから転じて、人間の性格や物事の本質は見かけによらない(見かけだけでは分からない)ということ。
元々は、江戸時代の俳人の榎本其角(えのもときかく)の俳句の一節である。
[類義のことわざ]
外面如菩薩内心如夜叉(げめんにょぼさつないしんにょやしゃ,がいめんはぼさつのごとし、ないしんはやしゃのごとし)
[対義のことわざ]
鬼面仏心(きめんぶっしん)
[英語のことわざ]
You can't judge a book by its cover.
(表紙だけでは本の価値は判断できない。)
[用例]
優子は虫も殺さないような可憐な感じを漂わせるお嬢様だが、『あの声で蜥蜴食らうか時鳥』で、実際には空手・柔道の有段者で並みの男では太刀打ちができない。
真面目一辺倒で事務職をしていた西島さんが横領事件を起こすなんて、『あの声で蜥蜴食らうか時鳥』とは良くいったものだ。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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