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映画「アナと雪の女王2」のあらすじ・感想

映画

エルサが魔法を駆使して戦うシーンや大地の精霊アースジャイアントが暴れまわるシーンの映像のクオリティーは素晴らしいですが、全編通して現時点におけるCGアニメの最高レベルの表現と技術を自然に楽しめる仕上がりになっています。日本のアニメ映画も素晴らしい傑作が多くありますが、ディズニー映画独特の立体感のある3Dアニメの質感が「アナと雪の女王2」でも生かされています。

エルサがダークシーを乗り越えてアートハランにたどり着くと、風の精霊が再現する氷の彫像によって、「過去に祖父のルナード国王がノーサルドラの人びとに対して行った悪業の秘密」を知ることになります。

今までアレンデール王国とノーサルドラの友好の証として建設されたと思われてきた「巨大ダム」が、実はルナード国王がノーサルドラの精霊の力を抑えるためにつくった罠だったのです。ルナード国王はさらにノーサルドラの部族長を、いきなり斬りつけて暗殺していて、この事実を知ったエルサはショックを受けます。

アートハランの絶対零度の寒さで凍りつき始めたエルサですが、何とか魔法の力でアナに過去にあった祖父の非道な振る舞いの歴史を伝えます。アナはノーサルドラの精霊の怒りを収めるためには、祖父が精霊のパワーを押さえ込むためにつくった巨大ダムを破壊するしかないと考えたのでした。

自分をおとりにしながら大地の精霊アースジャイアントを挑発・誘導して、アースジャイアントの投げる岩石でダムを破壊させようとする作戦を立てますが、それは少し間違えば命を落としてしまう危険な作戦でした。アナたちは何とかアースジャイアントのパワフルな攻撃を避けながらダムの破壊に成功して、アレンデール王国に平和な日々が戻ってきます。

エルサの氷の魔法も復活して、暑さで溶けかけていたオラフの命もギリギリで助かり、決壊したダムから流れてきた大量の水も、エルサが氷の巨大な壁で防いでくれました。最後はアナとクリストフも結婚してハッピーエンドで終わりますが、エルサの氷の魔法の秘密というのは、「母親のイドゥラがノーサルドラの娘で、その魔法のパワーを授かる第五の精霊であること」でした。

自らが人間と精霊をつなぐ架け橋になる「第五の精霊」であることを知ったエルサはアレンデール王国の女王位をアナに譲位して、自らは「ノーサルドラの女王」として森の人びとと共に生きていく決断をすることになります。

エルサとアナは相変わらず仲良しの姉妹で、連絡も取り合うことができるのですが、アナはアレンデール王国の女王、エルサはノーサルドラの森の女王(第五の精霊)になって、それぞれが自分自身の運命を受け入れながら生きる道を選ぶ自立と共生のエピローグになっています。

利己的な欲望と不信に呑み込まれた祖父が建設したダムは「自然破壊・人間の欲望」の象徴としても解釈できます。そのダムを自ら破壊したアナが「人間界・文明世界の秩序」、エルサが「精霊界・自然界の秩序」になっているような深いテーマ性を読み取ることもできるディズニーの美しい映像のアニメ映画でした。

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