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映画『カイジ ファイナルゲーム』の感想

カイジファイナルゲーム 映画

そこで過去のバベルの塔でカードをゲットした桐野加奈子(関水渚)とタッグを組んで、日本政府の新通貨発行(ハイパーインフレ・現行通貨の切り捨て)の陰謀を阻止してさらなる大金をゲットするための「最後の審判」というゲームに挑戦することになります。

この映画では、ゲームで戦うライバル役が帝愛幹部の黒崎(吉田鋼太郎)と頭が切れる官僚の高倉(福士蒼汰)になっていますが、二人のキャスティングと演技はなかなか良いのに、「ゲームの内容」でカイジのギャンブル運と決断の魅力を引き出せていないのは残念でした。

「最後の審判」という黒崎とのゲームがメインなのですが、結局は「自己資金と合わせた友人知人・観衆からのお金集めゲーム」であり、偶然・確率的推測・選択に賭けるカイジらしい「運否天賦のダイナミックな勝負ごと」の空気がいまいち伝わってきにくいのです。

ロープを選んで飛び降り、間違いだったら墜落死する(1本しか正解のロープはないのでほぼ間違う)「ドリームジャンプ」はちょっと大雑把すぎる運だけのゲームですが、お金で追い詰められた人がそのゲームを選ぶしかないという心理描写のためのものとも言えます。

高倉(福士蒼汰)との「ゴールデンジャンケン」はお互いの心理状態を読んで確率論で推測するゲームとしての面白みはありましたが、第一作のエスポワール号のじゃんけんゲームのほうがやはり盛り上がり感は強かったように思いました。

ただ最後はお約束で、いくら勝負に勝ってもカイジには一銭もお金は残らないというシュールな終わり方になっています。

インフレが続き、物価が上昇してビールも気楽に飲めない社会になっていますが、騙されて賞金がないことに気づく前にビールを頼んでしまったカイジ……キンキンに冷えたビールを喉に流し込み、「悪魔的なうまさだ」の豪快な飲みっぷりの絵で締めてくれて気持ちよく終幕を迎えます。

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