一超直入
(いっちょうじきにゅう)
[意味]
一度、迷いや苦悩を超越してしまえば、すぐにそのまま悟り(解脱)の境地に入ることができるという禅宗の悟りの概念。禅宗では厳しい修行や煩雑な学問を通して悟りを得るという従来の上座部仏教(小乗仏教)の考え方に反して、人生や物事の本質を問う『考案の問題』に答えることで、その場ですぐに悟り(解脱)に到達することができるという独自の考え方がある。
煩雑で遠回りなプロセスを経ることなく、一気に没入して悟りに到達できるという『頓悟禅(とんごぜん)』の悟りである。頓悟禅の対義語は、修行や学問を通して段階的に悟りに達するという『漸悟禅(ぜんごぜん)』である。
[出典]
[類義語]
[用例]
人生の難問に遭遇すると人はどうしても考え込んでしまうが、その難問の多くは一超直入の思い切った判断によって乗り越えていくことができる。優柔不断な私に足りないのは、あれこれ迷わずに一つに决めて突き進む一超直入の精神である。長く苦しい修行はなかなか悟りの成果につながらなかったが、ある日の座禅における瞑想で、一超直入の悟りの境地にただちに到達した。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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