雨晴れて笠を忘る
(あめはれてかさをわする)
[意味]
雨が上がって晴れてしまうと、笠のことなど忘れてしまう。
そこから転じて、楽な状態になってしまうと、苦しかった時のことも、大変な時に人から受けた恩義のこともすっかり忘れてしまうことの喩えである。
[類義のことわざ]
喉元過ぎれば熱さ忘れる(のどもとすぎればあつさわすれる), 暑さ忘れて陰忘れる(あつさわすれてかげわすれる), 病治りて医師忘れる(やまいなおりてくすしわすれる)
[英語のことわざ]
[用例]
過去に死にかけるほどの逆境にあった時、彼に助けてもらったのだが、『雨晴れて笠を忘る』でその恩義さえも忘れてしまっていたのだ。
『雨晴れて笠を忘る』であれほどに苦しんだ病気のことも、今はすっかり忘れてしまい、もう思い出すことすら無くなっていた。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
トップページ> Encyclopedia>
日本の古典文学> ことわざ事典>現在位置
プライバシーポリシー