一髪千鈞
(いっぱつせんきん)
[意味]
一本の細い髪の毛で、千鈞の重たい物を引っ張るという意味から、非常に危険なことや極めて無理なこと(難しいこと)。
『鈞(きん)』というのは重さの単位であり、この言葉が生まれた周の時代の1鈞は約7.6キログラムと推定されている。この推定では千鈞は約7.6トンとなるが、実際は具体的な数字よりも極めて重たいという意味が重視されている。
『一髪千鈞を引く』の略の四字熟語である。
[出典]
韓愈(唐の時代)『与孟尚書書』
[類義語]
一触即発(いっしょくそくはつ)、累卵之危(るいらんのき)、危機一髪(ききいっぱつ)
[用例]
成功率が約1%ともいわれる難しい心臓手術には一髪千鈞の危険があるが、生きるためには避けて通ることができない。
全財産を一つの会社の銘柄にひたすら投じた彼の株式投資のやり方は、正に一髪千鈞の暴挙であった。
人はわたしの太平洋単独横断の冒険を一髪千鈞の無謀な試みだと冷笑していたが、わたしには内心密かにこれを成し遂げることができるという揺るぎない確信と決意があったのだ。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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