一斑全豹
(いっぱんぜんぴょう)
[意味]
豹(ひょう)の毛皮の一つの斑模様(まだらもよう)から、その毛皮全体の状態を評価したり批判したりすること。
そこから転じて、物事のごく一部分だけを見て全体を批評・批判することの意味になった。
『一斑もて全豹を評す』の略の四字熟語である。
[出典]
王献之『晋書』
[類義語]
群盲評象(ぐんもうひょうぞう)、豹の一斑を窺う(ひょうのいっぱんをうかがう)
[用例]
文学の教養がないからといって、彼の教養水準が低いと決め付けてかかるのは一斑全豹の愚である。
第一印象がいまいちだった彼女は一斑全豹の低い評価を受けていたが、実際に現場で働き出すとみるみる頭角を現した。
教師という職業において重要なのは、生徒の能力や性格の多面性に目を向けることであり、それは一斑全豹の拙速な決めつけをしないということである。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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