一飯之報
(いっぱんのむくい)
[意味]
一度のご飯(食事)を恵んでもらうというほんの僅かな恩義に対しても、その恩返しをきちんとすること。
[出典]
『後漢書』 李固伝
晋の霊輒(れいちょう)が食べ物がなく飢えに苦しんでいた時に、趙宣子(ちょうせんし)が食事を恵んでくれた。霊輒はその一飯の恩義を終生忘れることなく、趙宣子が晋の霊公に攻撃されて危機に陥った時に、口利きをして助けてくれたのである。
[類義語]
一宿一飯(いっしゅくいっぱん)、一飯之恩(いっぱんのおん)
[用例]
学生時代に我が家に下宿していた学生が、家を取り壊す時の大掃除の手伝いをしに来てくれたのは一飯之報でもあったのだろうか。
一飯之報を忘れることのない彼の誠実で律儀な性格は、彼に会う人たちを強く魅了してやまなかった。
自分が困っていた時に優しく手を差し伸べてくれた彼女に、何としても一飯之報を返したいと兼ねてから思っていたので、今回の彼女の危機を救うためなら私は何でもやる覚悟だ。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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