飲河満腹
(いんかまんぷく)
[意味]
『荘子』の逍遥遊(しょうようゆう)篇にあるエピソードで、土竜(もぐら)は黄河の水を飲んでも、腹いっぱいになるまで飲めば、それ以上の量を無理してまでは飲まないという意味。
その古典のエピソードから、人間は自分の器量・能力に相応のところで満足すべきだという処世訓・道徳を意味するようになった。仏教的な『知足の心(足るを知るの心)』を意味する四字熟語である。
[出典]
『荘子』 逍遥遊(しょうようゆう)篇
[類義語]
飲河之願(いんかのねがい)
[用例]
宝くじで当たった10万円を再び宝くじにつぎ込んでしまって一円も手元に残らなかった、正に飲河満腹の教訓である。
飲河満腹が教えてくれる行為規範とは、結局、自制心や謙虚の大切さを指し示しているのではないかと思う。
いくら手に入れても満足できない貪欲の煩悩から人が自由になるには、飲河満腹の知足の心を知るしかないのだ。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
トップページ> Encyclopedia>
日本の古典文学> 四字熟語・故事成語>現在位置
プライバシーポリシー