異類中行(いるいちゅうぎょう)

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異類中行
(いるいちゅうぎょう)

[意味]

仏が異類の中をただ行くこと。悟りを開いた仏が、解脱した高次の境地を捨てて、衆生救済のために敢えて俗世へと身を投げ入れること。

禅宗の禅僧が『公案・瞑想(座禅)・作務(行住坐臥)』などさまざまな手段を用いて、修行する者を悟りの方向へと導こうとすること。

異類の“異”とは『現実的な観念・事物』を意味し、“類”とは『理想的な観念・事物』を意味するという解釈もある。異・類のいずれにも依存することなく、現実と理想の双方を超越した絶対的静寂の境地に至ること、すべての煩悩の火が吹き消された『涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)』の境地に至ること。

[出典]



[類義語]



[用例]

あの人は高徳の僧侶だが、常に市井の中にあって不幸な人の声に耳を傾けるという異類中行の険しい道を歩んでいる。

禅宗の修行というのは、起きてから眠るまでの生活動作のすべてを含む行住坐臥だが、異類中行の師の教えが私にそのことを実感させてくれたのだ。

あらゆる物事や人に対する煩悩を超越したとされる異類中行の悟りの境地、その道は遥かに遠くてとてもたどり着けない。

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参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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