因機説法
(いんきせっぽう)
[意味]
仏教の知恵や仏法の真理を教えるために、その相手やその場に応じた個別対応の説法をすること。仏教の創始者である仏陀(ゴータマ・シッダールタ)が、この相手によって真理の説明の仕方を柔軟に変える『因機説法』を行ったと伝えられている。
『因機説法』は、『機に因りて法を説く(きによりてほうをとく)』と書き下すこともできる。
[出典]
[類義語]
病に因りて薬を下す(やまいによりてくすりをくだす), 人を見て法を説く, ,応機接物(おうきせつもつ), 善巧方便(ぜんぎょうほうべん), 応病与薬(おうびょうよやく)
[用例]
東大寺の高齢の僧侶は『因機説法』によって、大学生の私にも分かりやすいことばで、『どうして苦しくても生きなければならないのか』について教えて下さった。
物事の道理を説明する時には、小難しい言葉であれこれ語るよりも、その人の言語感覚や理解度に合わせた『因機説法』で教える方が望ましいのである。
『因機説法』の必要性とその効果が、中学校の国語教師として働き出してから初めて分かったような気がする。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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