命軽鴻毛・命は鴻毛より軽し
(いのちはこうもうよりかろし)
[意味]
命軽鴻毛は、『命は鴻毛より軽し』と読む。生命が鴻(おおとり)の羽毛よりも軽いということ。
生命を捨てるような決断・行為を、重大事とは思わずに恐れないということ。あるいは、自分の生命に執着したり現世に未練を残したりせずに、生命を潔く投げ出すことができる覚悟(大義に殉じることのできる奉仕精神)を意味する言葉でもある。
人権思想が普及する前の公共的・儒教的な価値観(個人よりも主家・全体社会のほうに大きな価値がある)の一端を示している。
[出典]
司馬遷『報任少卿書(ほうにんしょうけいしょ,前漢の時代)』
[類義語]
命は義に縁りて軽し(いのちはぎによりてかろし)
[用例]
人類の戦乱の歴史を振り返れば、共同体のために個人があっけなく命を投げ出して死ぬ『命は鴻毛よりも軽し』が当たり前の時代が長く続いた。
民族派の無骨な思想家であった祖父は、戦後になってもまだ一旦緩急あらばの精神を持ち続け、国家の大義の前には自らの命など価値がないとする『命は鴻毛よりも軽し』を座右の銘のようにしていた。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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