顎で蠅を追う
(あごではえをおう)
[意味]
体に止まった蠅を追い払うために、手や体を動かすことができないので、何とか顎だけを動かして追い払おうとする。
身体・手足を動かすこともできなくなった衰弱した病人の様子を指すことわざである。体力が大きく衰えた人の喩え。
[類似のことわざ]
頤(おとがい)で蠅を追う,火を吹く力もない
[用例]
末期がんで弱りきった母は、顎で蠅を追うこともできないほどに衰弱してしまい、ほとんど何も食べられなくなってしまった。
顎で蠅を追うことができないほどの絶望的な老衰に直面して、老人は初めて周囲にいる家族の大切さに気づくことができた。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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