麻に連るる蓬
(あさにつるるよもぎ)
[意味]
蓬(よもぎ)は曲がって生長しやすい植物であるが、まっすぐに伸びる麻(あさ)の中で育てば、曲がらずにまっすぐに伸びるということ。
その意味から、善良・温厚な人々に囲まれて育っていけば、その子に特別な教育・しつけをしなくても、自然に善良・温厚な人間へと成長していくということ。人間は自分の置かれた環境によって、良い方向にも悪い方向にも育つという『環境決定論』について述べたことわざである。
[類似のことわざ]
朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる),麻の中の蓬は扶けずして直し(あさのなかのよもぎはたすけずしてなおし),藪の中のうばら(やぶのなかのうばら)
[英語のことわざ]
Keep good men company and you shall be of the number.
(善人との付き合いを維持すれば、あなたもその仲間・一員になれる。)
[用例]
中学校に入学した当初は荒れていた生徒が、幼馴染の優等生と一緒に行動しだしてから、『麻に連るる蓬』のように生活態度が改善していった。
相互扶助と役割分担で運営されているこの共同体で生活すれば、みんなが『麻に連るる蓬』のように仲間のことを思いやる性格になっていく。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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