浅瀬に仇浪
(あさせにあだなみ)
[意味]
波は川の深い所よりも浅い所で、激しく立ち騒ぐことが多い。
そこから転じて、思慮の浅い何も考えていない人ほど、無闇矢鱈(むやみやたら)に騒ぎ立てるという意味である。
『仇浪(あだなみ)』というのは、いたずらに立ち騒ぐ波という意味である。
[類似のことわざ]
空き樽は音が高い(あきだるはおとがたかい),痩せ犬は吠える(やせいぬはほえる),痩せ馬の声嚇し(やせうまのこえおどし)
[英語のことわざ]
Deep rivers move in silence, shallow brooks are noisy.
(深い川は音もなく流れるが、浅い小川の音はうるさい。)
[用例]
泡沫政党の議員が『浅瀬に仇浪』の勢いで反対意見を怒鳴っているが、一強状態にある政権与党の首相はまるで動じる様子もなかった。
強い者に弱く、弱い者に強いのは世の倣いではあるが、ここぞとばかりに失敗した弱者を叩く『浅瀬に仇浪』の風潮には辟易している。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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