家柄より芋茎
(いえがらよりいもがら)
[意味]
実力の伴わない良い家柄(由緒ある旧家)よりも、食べられる芋の茎のほうがまだ価値があるという意味。
江戸時代には、有力でない武士の家系よりも町人の財力のほうが影響力を振るったことから、格式だけで実際に殆ど役に立たない家柄よりも、食べることが出来る芋茎のほうが良いとされた。
身分制(士農工商)の特権の廃止で落ちぶれた『旧家・門閥』を軽侮・嘲笑していう場合にも使われたことわざである。現在では、『家柄・格式』よりも『実力・実利』のほうが価値があるといった意味合いで使われることが多い。
[類義のことわざ]
家柄より食いがら(いえがらよりくいがら), 芋茎は食えるが家柄は食えぬ(いもがらはくえるがいえがらはくえぬ)
[英語のことわざ]
Birth is much, but breeding is more.
(生まれは重要だが、育ちのほうがもっと重要だ。)
[用例]
幕末以前には旧五摂家にもつながる高位の貴族だったが、今は零落して見る方もない、『家柄より芋茎』と嘆くばかりの日々である。
『家柄より芋茎』と人々は落ちぶれた我が家を嘲るかもしれないが、旧皇族としての矜持と礼節だけはゆめゆめ忘れてはならない。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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