生き馬の目を抜く
(いきうまのめをぬく)
[意味]
生きている馬の目を抜くほどに素早いということ。
他人を出し抜いて素早く行動して利益を得ること。素早く物事に取り掛かるので、油断も隙もないこと。
『生き馬の目を抜く』には、特別な由来となる故事のエピソードがあるわけではない。他人を出し抜いて素早く物事をやってしまう様子を、『生きた馬の目ですら抜き取ってしまうほどに早い』というように喩えた諺(ことわざ)である。類似のことわざに『生き牛の目を抉る』もあり、古来から馬・牛が日本人の生活の身近にいた家畜である事が伺われる。『抉る(くじる)』というのは、『えぐりとって中の物を取り出す』という意味である。
[類義のことわざ]
生き牛の目を抉る(いきうしのめをくじる), 生き馬の目を抉る(いきうまのめをくじる)
[英語のことわざ]
[用例]
ITベンチャーのCEOである彼は今や『生き馬の目を抜く』勢いで、事業と個人資産の拡大を続けているようだ。
『生き馬の目を抜く』ような現代の競争の激しいスピード社会では、いかに素早く自分の知識・技術を高めるか、その能力を生産的にアウトプットできるかが問われているのだ。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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