「おざなり」と「なおざり」の違い

「おざなり」と「なおざり」は「物事にいい加減に対処しようとすること」のイメージがありますが、厳密には「おざなり」と「なおざり」の意味合いにはかなりの違いがあります。「顧客に対しておざなりな対応をした」と「顧客に対する対応がなおざりである」という文章では、「おざなり」よりも「なおざり」のほうが「何もせずに(意識せずに)放っておく」のニュアンスが強くなるのです。おざなりとなおざりの違いを、詳しく説明していきます。

スポンサーリンク

「おざなり」とは?


「なおざり」とは?


「おざなり」と「なおざり」の違いのまとめ


違いの事典:1

「おざなり」とは?

「おざなり」とは、「いい加減な言動(対応)をすること」や「物事をいい加減に済ませようとするさま」を意味している名詞・形容動詞です。

「おざなり」という言葉は、「意識的にその場だけの間に合わせをしようとすること」や「その場だけやり過ごせれば良いと考えて、いい加減な対処をすること」を意味しているのです。

「おざなり」を漢字で書くと「御座成り・御座形」になります。「おざなり」という表現は、「彼のおざなりな発言を聞いてがっかりしました」や「苦情を言ってもおざなりな対応しか返ってきませんでした」などの例文で使用することができます。

スポンサーリンク
楽天広告

「なおざり」とは?

「なおざり」とは、「いい加減に対処して放っておくさま」や「注意深くなくて、物事をおろそかにすること」を意味している表現です。「なおざり」には、「本気ではないこと・真剣ではないさま・気に留めていないこと」といった意味合いもあります。

「なおざり」の古語的な意味として、「程度がほどほどであるさま・あっさりとしていること」もありますが、現代の用法として使われることはまずありません。「なおざり」を漢字で表記すると「等閑」になりますが、語源は「尚ほ去り」にあるとする仮説もあります。

「なおざり」という表現は、「なおざりな気持ちでは試験に合格できません」や「上司への連絡や報告をなおざりにしていました」といった例文で使うことができます。

スポンサーリンク

「おざなり」と「なおざり」の違いのまとめ

「おざなり」と「なおざり」の言葉は「いい加減な言動をするさま」という意味では共通点がありますが、「おざなり」は「意識的にいい加減な言動・対応をすること」を意味しています。

「おざなり」に対して「なおざり」という表現は、「注意せずに(気に留めずに)おろそかにすること」の意味のニュアンスが強いという違いがあるのです。

「おざなり」という表現は「意識していい加減な対応・行動をすること=いい加減であっても何らかの対応をすること」を意味していますが、「なおざり」のほうは「注意深さがなくて真剣ではないこと=いい加減に対応して放置しておくこと(何もしないことも多い)」という違いを指摘できます。

例えば、「友人におざなりな返事をしました」という文章は「意識的にいい加減な返事をしたこと」を意味していますが、「友人への返事をなおざりにしていました」のほうは「友人のことに注意を向けずに返事を返さないままにしていたこと(何の返事もしていないこと)」を意味するニュアンスが強くなっているのです。

楽天広告
スポンサーリンク
楽天広告
Copyright(C) 2020- Es Discovery All Rights Reserved