郢書燕説
(えいしょえんせつ)
[意味]
本来意味がない文章や物事を、あれこれこじつけたり修飾したりしてもっともらしく説明すること。
[出典]
『韓非子(かんぴし)』 外儲説(がいちょせつ)
楚の国都である郢(えい)の人が、燕国の大臣に宛てた手紙を口述筆記させた。その際に灯りが暗かったので『挙燭(きょしょく,蝋燭をもっと挙げよ)』と言うと、筆記者はそれを手紙に書くべき言葉と勘違いして『挙燭』と書いてしまった。しかし手紙を受け取った燕の大臣は勝手に『挙燭』を『明を挙用せよ(賢人を採用せよ)』の意味だと解釈して、これを国王に勧めて実行したところ燕が栄えたという故事から来ている四字熟語である。
[類義語]
[用例]
文字コミュニケーションの本質は、受け手がそのメッセージをどう解釈するかにかかっているが、それは『郢書燕説』が通用しやすいということでもある。
どんなテーマでも繊細な凝った文章で上手く説明してしまう彼は、『郢書燕説』のテクニックを駆使して、文章を読んでいる相手をあっという間に自分の世界観に取り込んでしまう。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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