塩鉄之利
(えんてつのり)
[意味]
塩と鉄の専売・独占販売によって得る利益のことである。
古代から中国では、政府(皇帝)が塩と鉄の専売によって莫大な利益を安定して得ていたとされる。そこから転じて、政府の独占的な権益のことを指していうこともある。
[出典]
前漢の武帝の時代に塩と鉄の専売制度が確立されたが、朝廷が生活必需品を統制して莫大な利益を上げようとするこの制度は人民を苦しめることになった。人民を疲弊させて、需給バランスを乱して国家財政を破綻させたため、朝廷の学者・官僚たちは塩と鉄の専売制度の是非について激しく議論を戦わせたと伝えられている。
[類義語]
カク管の利(かくかんのり)
[用例]
政府はタバコやお酒などの専売制度を利用する『塩鉄之利』によって、安定的に大きな財政収入を得られるような仕組みを持っている。
大きな『塩鉄之利』を得るという政府の独占的な利権が、一般国民の経済生活を圧迫するようでは圧政や悪政になってしまうだろう。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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