枉尺直尋
(おうせきちょくじん)
[意味]
一尺を枉げて(まげて)、八尺(=一尋)をまっすぐにすること。
そこから、大きな利益を得るために、小さな犠牲を払うことのたとえである。
『尺を枉げて、尋を直くす(せきをまげて、じんをなおくす)』と訓読みする。
『尺(せき,しゃく)・尋(じん)』は共に長さの単位で、一尋は八尺である。
[出典]
『孟子』の滕文公(とうぶんこう)・下
[類義語]
小を捨てて大を取る(しょうをすててだいをとる)、 寸を屈して尺を伸ぶ(すんをくっしてせきをのぶ)
[対義語]
因小失大(いんしょうしつだい)、 貪小失大(たんしょうしつだい)、 小を取って大を失う(しょうをとってだいをうしなう)
[用例]
肉を切らせて骨を断つような『枉尺直尋』とでもいうべき決定的な一撃を敵に加えない限り、もはや我々に勝ち目はないだろう。
『枉尺直尋』とは大きな利益を得るために小さな犠牲を払うということだが、五十人の中のただ一人の生命であっても、みんなのために犠牲になってもらうのは忍びがたいことであった。
参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)
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