江戸の敵を長崎で討つ
(えどのかたきをながさきでうつ)
[意味]
江戸で受けた恨みを遠く離れた長崎で晴らす。
そこから転じて、昔のうらみを、思わぬ時、思わぬ場所で晴らすこと。あるいは過去に受けたうらみに対して、筋違いなことで仕返しをすることである。
過去に受けた恨みや屈辱は必ず晴らしてみせるといった誓いの言葉としても用いられることがある。ただし一般には、執念深い恨みを晴らすの意味で使うのは誤用とされる。
語源は『江戸の敵を長崎が討つ』だという説もある。
その説では、大阪に江戸の職人を凌いで大成功をした職人がいたが、長崎の職人が大阪でその大阪の職人を超えるほどの大成功を収めたという故事に基づくことわざとされる。
[類義のことわざ]
江戸の仇を駿河で取る(えどのかたきをするがでとる)
[英語のことわざ]
[用例]
『江戸の敵を長崎で討つ』というような理不尽な報復など本当はしたくなかったのだが、家族を長年苦しめたあの男をどうしても許すことができなかったのだ。
新入社員にパワハラめいた厳しい罵声を浴びせていたら、20年後にその社員が出世して自分の上司になり、『江戸の敵を長崎で討つ』とばかりに今度は自分が冷遇されることになった。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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