一斑を見て全豹を卜す
(いっぱんをみてぜんぴょうをぼくす)
[意味]
豹(ひょう)の皮の一つのまだら模様を見て、豹の全身像を想像で推測するということ。『斑』は、『ぶち・まだら』のことである。
そこから転じて、物事の一部だけを見てその全体を推し量ること。
『晋書 王献之伝』が出典である。
[類義のことわざ]
蛇首を見て長短を知る(だしゅをみてちょうたんをしる), 一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる), 一事が万事(いちじがばんじ), 一を以て万を察す(いちをもってまんをさっす), 一斑を見て全豹を評す(いっぱんをみてぜんぴょうをひょうす)
[英語のことわざ]
You may know the lion by its claw.
(爪によってライオンを知る。)
[用例]
服装や言葉遣いを見てその人の人間性・適性を判断するのは『一斑を見て全豹を卜す』ようなことだが、そういった偏見を避けるほうが得である。
いくつかの数学の難問を出題すると、彼女は迷うこともなくすらすらと素晴らしい回答を書いた、その頭の回転の速さを見れば『一斑を見て全豹を卜し』たとしてあながち間違いではないだろう。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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