牛に引かれて善光寺詣り
(うしにひかれてぜんこうじまいり)
[意味]
予想外の出来事や他人からの誘いかけによって、思いがけず宗教信仰の道(仏道)へと入っていくこと。
思いがけないこと(想定外の出来事)が縁となって、良い方向へと導かれることの喩えである。
牛に引かれて善光寺詣りは省略形で『牛に引かれて善光寺』ともいう。
昔、信濃(現長野県)に住んでいた老婆が、日に晒していた布を隣家の牛の角にひっかけられた。布をひっかけたまま走って逃げていく牛を老婆は追いかけたが、どんどん追いかけていくうちに遂に善光寺に着いてしまった。老婆はそれが契機となって度々善光寺を参拝するようになり、仏教信仰にも目覚めたという故事が下敷きになっている。
[類義のことわざ]
[英語のことわざ]
[用例]
初めは友人に誘われてそのアーティストのコンサートに何となく一緒に行ったのだが、『牛に引かれて善光寺詣り』で今は熱烈なファンになってしまった。
昔、会社の上司に勧められて英会話を学ぶようになったが、『牛に引かれて善光寺詣り』で英語学習に深くはまってしまい、そこから10年で海外支社の支社長に抜擢されることになった。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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