鰯の頭も信心から(いわしのあたまもしんじんから)

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鰯の頭も信心から
(いわしのあたまもしんじんから)

[意味]

鰯(いわし)の頭のように、他人から見れば価値のないつまらないものでも、それを信じている者にとっては価値のある尊いものであるということ。

『頭』は『かしら』と読んでも良い。『信心から』は『信心がら』と言うこともある。

節分の夜に鰯の頭を、柊(ひいらぎ)の枝に挿して玄関・門に置くと、悪鬼を追い払えるとされていた迷信・風習を踏まえてできたことわざである。

何かを盲目的に信じ込んでいる人をからかう意味で用いることが多い。それだけではなく、(何も信じられずに虚無的になるよりは)信じる者は救われるといった肯定的な意味合いで用いることもできる。

[類義のことわざ]

白紙も信心から(はくしもしんじんから),  竹箒も五百羅漢(たけぼうきもごひゃくらかん)

[英語のことわざ]

Miracles are those who believe in them.
(奇跡はそれを信じている人にもたらされるものだ。)

[用例]

受験シーズンが迫って緊張してきたが、『鰯の頭も信心から』で一応、近所の神社に絵馬を掛けて合格祈願をすることにした。

占い師の判断に政治家や経営者の意思決定が左右されてしまうのは、『鰯の頭も信心から』の好ましくない現れに他ならないが、弱っている時に迷うと人は占いにでもすがってしまうものだ。

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参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)

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