犬の遠吠え(いぬのとおぼえ)

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犬の遠吠え
(いぬのとおぼえ)

[意味]

弱い犬ほど遠い場所から吠えかかる。

そこから転じて、臆病者・弱者・実力のない者が、陰で悪口や中傷を言うことの喩え。弱い者や臆病者は、相手の目の前では反論や批判ができないということ。

酒井順子さんの著作『負け犬の遠吠え』では、自分自身の経験を踏まえて自虐的に『30代の未婚・子なしの女性=負け犬』として描かれているが、ことわざでは『犬の遠吠え』でも『負け犬の遠吠え』でもどちらでも良い。

[類義のことわざ]

犬の長吠え(いぬのながぼえ)

[英語のことわざ]

A waking dog afar off barks at a sleeping lion.
(遠くの犬が起き、眠っているライオンに吠える。)

Dogs that bark at a distance bite not at hand.
(遠くで吠える犬は、近くで噛み付かない。)

A barking dog seldom bites.
(吠える犬はめったに噛み付かない。)

[用例]

社長が会議室を出ると、部長は『犬の遠吠え』のように社長の指示に対する不平不満を言い始めた。

本人がいなくなってから悪口を言い始めるのは、臆病な『犬の遠吠え』のようで情けない行動である。

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参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)

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