驕る平家は久しからず
(おごるへいけはひさしからず)
[意味]
現在の自分の権勢に思い上がって傲慢(ごうまん)な振る舞いをしている人は、長続きせずに早く滅びるという戒めのことわざです。驕り高ぶっている人の現在の権勢や影響力は長続きしないということ。
「驕る平家は久しからず」の由来は、「平家物語」冒頭の「驕れる人も久しからず」にあります。栄耀栄華(えいようえいが)を極めて権力の絶頂にあった平家(平氏)が、あっという間に源氏から滅亡させられたことに由来しています。
[類義のことわざ]
驕る平家に二代なし(おごるへいけににだいなし)
意味:傲慢な平家の全盛期は平清盛の次の世代まで続かなかったということから、驕り高ぶっている人の威勢は長続きしないこと。
驕る平家は内より崩る(おごるへいけはうちよりくずる)
意味:驕り高ぶっている平家は内部から腐敗して崩壊したことから、傲慢になると自分の内面や身内から崩れていくということ。
満つれば欠ける(みつればかける)
意味:満月になればやがて形が欠けていくということから、絶頂期に達して満たされれば、その後は次第に衰えていくということ。
奢るものは末世の厄介(おごるものはまっせのやっかい)
意味:奢り高ぶっている者は、滅亡につながる厄介な要因になってしまうということ。
[対義のことわざ]
実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)
意味:力をつけるほどに、奢り高ぶることなく謙虚に振る舞うこと。権力や権威があっても威張ったり誇ったりしないことで、その人徳を評価されること。
[英語のことわざ]
Pride will have a fall.
(高慢・傲慢には転落がある。)
[用例・例文]
「驕る平家は久しからず」で部下に怒鳴り散らしていた副社長は、取締役会で解任されることが決まったようです。
人は大きな権力を掌握すると人間が変わりやすいが、常に「驕る平家は久しからず」という古来からの法則を忘れないようにしたい。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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