「アルコール・エタノール・メタノール」の違い

「アルコール」といえば「お酒」をイメージします。一方で、消毒用の「エタノール」という化学物質も「アルコール」の一種になります。このように、「アルコール」にはエタノールをはじめとする色々な種類があるのです。

エタノール以外にもメタノールやイソプレパノールなどのアルコール類があるわけですが、「アルコール」と「エタノール」と「メタノール」の違いをはっきりと理解することができているでしょうか?

この記事では、「アルコール・エタノール・メタノール」の違いを詳しく説明していきます。

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「アルコール」とは?


「エタノール」とは?


「メタノール」とは?


「アルコール・エタノール・メタノール」の違いのまとめ


違いの事典:1

「アルコール」とは?

「アルコール」という物質の化学的定義は、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基(-OH)で置き換えた物質の総称になります。一般的には「アルコール」というのは、「エタノール」をはじめとするアルコール類に分類される物質の総称として理解することができます。

歴史的に一番初めに発見されたアルコール類の物質は、お酒に含まれている「エタノール(酒精)」であるため、普段の話の中で「アルコール」という言葉が出てくる時には、「エタノール・お酒」のことを限定的に示していることが多くなっています。

「アルコール」の化学構造の分類はかなり複雑ですが、ヒドロキシ基・炭素原子に結合している炭化水素基の数によって、「第一級~第三級のアルコール」に分類されます。「アルコール」の一種である「メタノール」は炭素原子の結合を持たないが酸化するとホルムアルデヒドになるため、「第一級アルコール」になります。

炭素数が少ないアルコールは「低級アルコール」と呼ばれ、無色の液体の形状をしています。炭素数が多いアルコールは「高級アルコール」と呼ばれ、ろう状の固体の形をしています。

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「エタノール」とは?

「エタノール」とは「アルコール類の一種」であり、「エチルアルコールの別名」のことです。「エタノール」は「揮発性を持つ無色透明の液体」であり、鼻をツンと突くような独特の芳香を持っていますが、飲んでも(飲みすぎて急性アルコール中毒などにならない限りは)強い毒性はありません。

「エタノール(エチルアルコール)」はお酒の主要成分であるため、「酒精(しゅせい)」と呼ばれることもあります。「エタノール」は強い殺菌作用を持っているため、「消毒液・手指専用の消毒液(手ピカジェルなど)・消毒用の商品」としてもよく用いられています。

「エタノール」の分子構造は、油になじみやすい「エチル基」と水になじみやすい「ヒドロキシ基」が結合した構造になっています。「エタノール」は水にも油にもなじみやすい性質から、「洗剤としての効果」も優れています。

「エタノール」は揮発性が高くて100%だとすぐに蒸発してしまいますが、燃えやすい性質があるため、「燃料」としても使用できます。理科の実験などで「エタノール」を燃やした経験がある人もいるのではないでしょうか。

「エタノール」が燃えた時は青白くて見えにくい色の炎になり、「悪臭・すす」が全くでないという長所を持っています。「エタノール」の凝固点は―114℃なので、相当な低温でないと固体にはなりません。

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「メタノール」とは?

「メタノール」とは、「工業用の有機溶媒・ホルマリン(保存液)・アルコールランプの燃料」などの用途で用いられる「アルコールの一種」です。「メタノール」には、「メチルアルコール・木精(もくせい)・カルビノール・メチール」といった別名があります。

「メタノール」は現代では天然ガスを原材料として高気圧・高温の環境下で製造することが多くなっていますが、「木酢液の蒸留・メタノール産生菌」によっても製造することが可能です。

「メタノール」は揮発性が高くて引火しやすい物質であるため、「危険物第四類アルコール類」に分類されていますが、人体に対しても強い毒性・危険性があります。「メタノール」を大量に経口摂取した場合には0.3~1.0g/kgで致死量に達するとされていて、同じアルコール類でも「エタノール(酒精)」とは全く異なる物質なのです。

メタノールを誤って飲んでしまうと、「吐き気・めまい・意識障害」を起こす恐れがありますが、大量に飲んだ場合には「死亡」や「視神経障害による失明」のリスクもあるので十分な注意・管理が必要な物質です。

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「アルコール・エタノール・メタノール」の違いのまとめ

「アルコール」というのは、「エタノール・メタノールを含んだアルコール類の総称」のことを意味しています。「アルコール」は炭化水素の水素原子をヒドロキシ基(-OH)で置き換えた物質の総称という難しい定義も持っていますが、一般的には「エタノール(メチルアルコール)」として理解されていることも多くなっています。

「エタノール(酒精・エチルアルコール)」というのは、「お酒(飲用)・消毒液・洗浄液・燃料」などの用途で使われる「毒性の弱いアルコールの一種」のことです。

「メタノール(木精・メチルアルコール)」というのは、「工業用の溶媒・ホルマリン液・アルコールランプ燃料」などの用途で使われている「毒性・引火性の強いアルコールの一種」であるという違いがあります。「エタノール」は適量であれば人体に対する有害性はかなり弱いものになりますが、「メタノール」は人体にとって明らかな毒物・有害物質で死亡・失明のリスクもあるので絶対に飲んではいけない物質なのです。

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