親の因果が子に報う
(おやのいんががこにむくう)
[意味]
親の悪事・悪行の報いが子に及んで、本人には罪のない子が苦しむこと。仏教教義を前提にして、「自分の努力では避けることのできない不幸な運命」についていう時に使われることわざです。
「因果(いんが)」というのは、「物事には必ず原因があって結果があるということ」を意味する仏教用語です。「因果」とは、「前世の悪業が原因になって、現世で不幸の果報を受けることになる」という仏教の教えなのです。
[類義のことわざ]
親の善悪は子に報う(おやのぜんあくはこにむくう)、親の運は子に知れる(おやのうんはこにしれる)、親の罪子に報う(おやのつみこにむくう)、親の罰は子に当たる(おやのばつはこにあたる)、親の涙雨子にかかる(おやのなみだあまごにかかる)
[対義語のことわざ]
親の光は七光(おやのひかりはななひかり)
意味:親の権威・威光・名声などによって、(本人には実力のない)その子が世の中からさまざまな恩恵・優遇を受けること。
[英語の表現]
Parental cause and effect rewards children.
意味:親の因果(原因と結果)が子に報いる。
[用例・例文]
「親の因果が子に報う」とはいうが、なぜ俺が親父の借金を背負わなければならないのか納得できない。
貧乏人の子供は貧乏人になるしかないのかと、「親の因果が子に報う」の現実が身に染みてつらかったのです。
参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)
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