事件事故・自然災害のニュースが流れる時には、被害者になった人の状態が「重傷・重症・重体・重篤」といった言葉で表現されます。どの言葉が重い怪我を意味していて、どの言葉が重い病気を意味しているのか、またどの言葉が命の危険があるのかということが分かっていますか?
「重傷・重症・重体・重篤」というのはニュースなどでよく見聞きする言葉ですが、それぞれの言葉の意味を正確に理解できているでしょうか?
この記事では、「重傷・重症・重体・重篤」の違いを詳しく説明していきます。
「重傷」とは?
「重症」とは?
「重体」とは?
「重篤」とは?
「重傷・重症・重体・重篤」の違いのまとめ
違いの事典:1
「重傷(じゅうしょう)」というのは、「程度が重い傷・負傷」や「骨折・深い創傷などの大怪我」のことを意味している言葉です。
「重傷」という言葉は「程度が重い怪我・負傷」を意味していて、「病気」については使用することができません。また「重症」は「重い怪我・傷」ではありますが、生命には別状ありません。
例えば、「交通事故で全治一ヶ月の重傷を負いました」や「海岸で岩場から転落した彼は骨折と出血をしていて重傷でした」といった例文で使えます。
「重症(じゅうしょう)」というのは、「病気・怪我やその症状が重いこと」や「程度が重い病気・症状・怪我のこと」を意味している言葉です。「重症」は「病気・怪我の程度は重い」ですが、生命には別状ありません。
例えば、「重症の風邪は時に命に関わります」や「自転車でこけた怪我は重症でした」といった文章で使われます。
「重症」という表現には、「物事の程度がはなはだしいさま」の意味合いもあります。
例えば、「彼の車のコレクションは重症です・離婚によるショックは重症です」などの例文で使用できます。
「重体(じゅうたい)」とは、「病気・負傷(怪我)の程度が深刻であり、生命の危険があること」や「病気・怪我の程度がはげしくて、死亡する可能性があるさま」を意味している言葉です。
例えば、「土砂崩れの災害に巻き込まれて意識不明の重体です」や「病状が急激に悪化して重体に陥りました」などの例文で使用されます。
「重篤(じゅうとく)」というのは、「病状が非常に悪いこと・症状の程度が著しく重いこと」や「怪我の程度が非常に重いこと」を意味している言葉です。
「重篤」は元々医療従事者の間で使われていた言葉ですが、「程度が重い病気・怪我の両方」に対して使用することができます。
例えば、「患者は心臓が弱っていて重篤な状態にあります」や「重篤な副作用も覚悟して使わなければならない薬です」といった文章で使用されます。
「重篤」の言葉には「このままの状態で、適切・効果的な治療をしないままだと死に至る恐れがあるさま」といったニュアンスが込められています。ただし、「今にも死にかねない危篤よりは死亡リスクが小さい」という違いがあります。
「重傷」というのは、「生命の危険がない、程度が重い傷・大怪我」に対して使われる言葉です。「重症」の言葉は、程度が重い怪我にしか使えない「重傷」とは違って、「程度が重い病気と怪我の両方」に対して使用できるという違いがあります。
また「重症」は病気や怪我がなくても、「ある物事・行為の程度が非常にはなはだしいさま」といった比喩的な意味でも使われます。例えば、「彼女の恋愛依存は重症です・彼のマニアックな映画趣味は重症です」といった例文で使われます。
「重体」という言葉は「病気・負傷(怪我)の程度が深刻で、生命の危険があるさま」を意味していて、「重傷・重症よりも深刻度が高くて実際に死亡するリスクもある」という違いがあります。
「重篤」という表現は「病状が非常に悪くてこのままだと死亡リスクもあること」や「死ぬ恐れがあるほどに病気・怪我の程度が非常に重いこと」を意味していて、「重体」と近い意味合いを持っています。ただし医療従事者の間で使われることが多い「重篤」は、「重体・危篤よりは死亡リスクが低い」という違いがあります。
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